こんにちは、昨日のニュースで悪性の脳腫瘍の治療薬として、ウイルスでがん細胞を攻撃をする国内で初めての薬を期限付きで認証することを決めたということを昨日簡単に紹介しました、今日は要点をまとめます。
〇ウイルス療法とは何か
薬としてのウイルスが投与後に増えて腫瘍細胞を破壊するという治療法です。効率の良い腫瘍ワクチンとしても作用し、繰り返し行うことも可能です。安全性が高いことも大きなメリットです。
出典:脳腫瘍に対するウイルス療法の医師主導治験で高い治療効果を確認―日本初のがん治療ウイルス薬の製造販売承認申請へ― | 国立研究開発法人日本医療研究開発機構
〇ウイルス療法を受けることのできる対象者は下記1.2.を満たす人
・神経膠腫(グリオーマ)とはなにか→脳の内部から発生する腫瘍を指します(脳に発生する腫瘍には、脳実質外腫瘍と脳実質内腫瘍があります)
・神経膠腫(グリオーマ)の原因は何か→明らかになっていません。たとえば、神経膠腫の発症に、遺伝はほぼ関連していないといわれています。喫煙などの生活環境因子との関連も認められておらず、原因が解明されていない点は特徴でしょう。
・神経膠腫(グリオーマ)の分類【世界保健機関(WHO)が定めたグレード(基準)によって、重症度別にⅠ〜Ⅳに分類されます。*発症しやすい年齢は、それぞれ以下の通りです。男女差についてお話しすると、すべてのグレードで、女性よりも男性の方が発症しやすい傾向にあるでしょう】→
・グレードⅠ:小児に多い・良性の神経膠腫
・グレードⅡ:30~40歳代に多い・低悪性の神経膠腫
・グレードⅢ:40~50歳代に多い・悪性の神経膠腫
・グレードⅣ:若者と高齢者に多い・悪性の神経膠腫
出典:神経膠腫(グリオーマ)とは? 病気の分類・症状を解説 | メディカルノート (medicalnote.jp)
2.手術や放射線治療などの標準治療で効果が見られなかった人--- 標準治療を受けた人でないといけないというのは基準が厳しいですよね、最初からウイルス療法の選択をしてはいけないのでしょうか?何故なのでしょう。私は昨日このニュースを見て、もしウイルス療法を受けられる場合にはまた頭部の切開しなければいけないのか、と希望が見えた半面複雑に感じました。
3.(小児も含む)
〇薬の期限付きで認証とは何か?
7年間の期限つきでの認定です。
〇薬はどこの会社が開発したものか?
第一三共 が開発した「デリタクト」です。
〇どのような薬なのか?
厚生労働省によりますと、遺伝子の組み換え技術を利用して作ったウイルスを脳の腫瘍に直接投与してがん細胞を攻撃する仕組み
ここまでざっとざっくりとまとめました。
ウイルス療法を希望する方は、まず医師に基準を満たしているか確認することが必要です。標準治療後に十分な効果が得られたかどうかはこのウイルス療法においての基準が分からないからです。
もし受けられるという場合、がん保険に入っており+先進医療への対応に加入している方は標準治療後何年経過で先進医療への保険給付対象になるかも確認してみてください。
最後に昨日の朝に私の見たニュースをそのまま引用します。
厚生労働省は、悪性の脳腫瘍の治療薬として、ウイルスでがん細胞を攻撃する国内で初めての薬を期限付きで承認することを決めました。 承認が決まったのは、神経膠腫と呼ばれる悪性の脳腫瘍の治療薬として第一三共が開発した「デリタクト」です。 厚生労働省によりますと、遺伝子の組み換え技術を利用して作ったウイルスを脳の腫瘍に直接投与してがん細胞を攻撃する仕組みで、24日、厚生労働省の専門家部会は、国内の治験で一定の有効性が認められたなどとして、承認することを了承しました。 ウイルスを使ったがんの治療薬が国内で承認されるのは初めてで、1か月程度で正式に承認される見通しです。 一方、症例数が限られていることなどから、7年間の期限付きでの承認となっていて、引き続き有効性などに関するデータを集めていくとしています。 対象となるのは悪性の神経膠腫の患者のうち、手術や放射線治療などの標準治療で効果が見られなかった人で、小児も対象になるということです。
国内初、脳腫瘍へのウイルス療法(ウイルスを使ったがん細胞への攻撃を使った療法)の認証 - 病気になってからの時間のながれかた
私は以下の点を次回外来時に主治医に確認してみます。
・自身がウイルス療法を受けられる基準を満たしているか
・なんでウイルス療法が7年の期間の限定を設けているのか、どういった意図があるのか
・なんで標準治療後でないとウイルス療法が受けられないのか?
最後の質問はなんとなく察しがつきますが、どうなんでしょう。