病気になってからの時間のながれかた

日々の興味を持ったこと、食べること、健康を中心に書いています♪ 現在は外来受診中です、脳腫瘍になった方との情報の共有したいと思ってBlog始めました☆

葬儀の時に哀悼の他に必要なもの

 15日の福島県、茨城、宮城、青森、埼玉、栃木の地震での被害はひどいようでしたし、その翌日の大雨がタイミング悪く思いました、生活の普及を願うばかりです。

 

 昨年末に北隣のお家のお父さんが肺炎のために亡くなられました。無くなられる前は会話こそできていましたが、キャスター付きの酸素タンクを引いて歩いていました。

 奥さんは「座っていたり調子がいいと酸素タンク無しの時もあるんだけど歩くときなんかはいるわ、これが今のとこ命綱だわ」などと旦那さんの隣で話していました、常に気丈に振舞っていたので心が痛みました。亡くなられる前に旦那さんが植木の土いじりをしていたのを見かけてあいさつした時にはニコニコはしてましたがパッと見で顔色が浅黒く血色が悪いのが分かりました(あぁ、調子が悪そうだな)と感じました。

 

 私の祖母は乳がんを患い基準治療を受けました。その後乳がんから他部位への転移が発覚しましたしその後肺炎(たぶん肺がん、治療拒否のため詳細は不明です)にもなりました、なのでがんもそうですが肺を患う事の苦しさや辛さは間近で見てきました。

 祖母の話になってしましますが、その転移後はもう痛いことをしたくないという事でかかりつけの病院で署名をしてこれ以降のがんの基準治療を受けない選択をしました。祖母は年も年でしたのでそういう選択をしたのでしょう。しかし乳がんで最初入院し、そこから自宅療養しその後緩和ケアの病院に移り余命宣告よりも長く存命しました。頑固で強気でなんでもキッチリとこなす祖母らしい最期でした。「ここまで生への執着があるとは」と父もポツリと言っていました。

 祖母とはいつも小競り合いしてきましたが、器用な祖母が「髪は絡まないように毛先側からブラシを通すんだよ、それから徐々に上までとかすんだよ」など髪のとき方を教えてくれたり、髪を結んでくれたり、幼稚園の頃トイレでおしっこが出るように近くで見ていてくれたり、祖父が亡くなった夏にみんなが里帰りして2人で家に残った時には手を繋いで寝たり、家族の皆が知らない2人だけの秘密もあります。祖母の編んだ白の大判の綺麗なレースのテーブルクロスが好きでした。

 そういった祖母や祖父との思い出が誰かが無くなるたびに思い出されます。

 

 隣のお父さんが亡くなられた時にはお通夜の前、亡くなられた当日にご遺体は家に戻っており普段着で顔を拝ませてもらいに行きました。マスク着用で涙がこぼれそうになったのがギリギリ隠せたかもしれません。小さい頃には子供たちで遊んだりとお世話になっていたし、祖父、祖母が亡くなった際にはご近所さんたちは我が家に祖父、祖母の顔を見に来てくれたので、行かせてもらいました。

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お通夜の前に

 お通夜とお葬式は私は参加しませんでしたが、滞りなく終わったというのをなんとなく雰囲気で察していたところ、衝撃的な話を両親がしていました。

 どうやらこのご近所さんの中に旦那さんの凍結されてない口座からの家族が現金引き出しした事を警察に通報した人がいる、とのことでした。

 

 びっくりしました。私はそういった法律は全く知りませんでしたし「だいたい少し法に触れただけでその通報者や銀行側にデメリットが無いのになぜ通報したかが理解できない」「黙っていればいいことではないか」「葬儀のお金もばかにならないし保険が適応されるまで一時金として現金をおろしておきたいというものが普通ではないか?」などと我が家では討論になりました。通報者もどうやらはっきり分かっており、なんでそんなことが起こってしまうんだ、と思ってしまいました。通報者本人は銀行に勤めているのでそういった知識が豊富でその口座の相続手続き前での引き出しが悪と思ったのでしょうか。

 ここで調べてみたところ、死亡した方が存命中で口座の凍結前に引き出す方法と、仮払いという遺産分割協議が成立する前に、被相続人の預金を引き出すことができる手続きがあるとのことですが、どちらの方法も旦那さんを介護する奥さんや会社を継ぐ子供の忙しさであったり心配や失意の精神的苦痛の中でそこまで手が回るでしょうか?

 そして銀行が被相続人の死亡を確認してからの口座凍結になるシステムなので、そこに口出しする必要ははたしてあるのでしょうか?なぜ凍結というシステムがあるのかと言えば他の共同相続人とのトラブル回避があるそうですが、亡くなった旦那さんの兄弟も家の中にみえたので、そんなトラブルは起こらないだろうと私は勝手に想像しています。送り出す穏やかな最後の時間と、その気持ちを整理する時間に水をさすなんてむなしいなと感じました。